前回の「鍛錬と苦行は避けて通れないのか?!【その1】」の記事で、
繰り返し基礎鍛錬を行うことが何よりもの近道になることについて触れました。
基礎の位置付けは、応用の手前にあるものと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
あらゆる要素のど真ん中にあるものなんだと思います。
だから、基礎をマスターすることは決して容易ではなく物凄く時間とエネルギーが必要になる。
また真髄に繋がるためには絶対にゴソッと抜け落ちてはいけない部分、基礎を舐めたらあかん!(自分に言い聞かせながら書いてます)
ピアノをやったことがある方はご存知だと思いますが、ハノンというピアノ教本があります。
指の筋トレや柔軟体操的な、実際に弾きたい曲を演奏する前に指を温めて慣らすために行う繰り返しのパターン練習のようなものです。
指の運び方、リズムの取り方、間の取り方、楽譜の読み方、左右の指をバランス良く使い、左右の耳でバランス良く聴くこと、無意識でできるようになるまで意識し続けて練習することで、必要な基礎が少しずつ身に付いてきます。
まず何か一つの曲を完成させるのに、ただ音を拾ってなんとかおぼつかなく最後まで弾くということは誰にでもできると思うのですが、完成度を高めていく、また表現力に磨きをかけていくためには、まず無意識に全ての基礎を自分の血肉にしておかないと、本当の意味で表現するなんていう域などには到底及ばないのです。
ヨガも同じだと思うのですが、一つのアーサナにおいてどこまでも探究のし甲斐があると思うのです。
そして一連の基礎を何パターンも身に付けておくと、それをどんなアーサナにでも応用することができます。
ピアノのハノン教本の話に戻りますが、ハノンは全部で60番まであります。
おそらく、殆どの素人ピアノ愛好家が1〜60番まで全部弾き終えた、そして1〜60までを通して1時間かけて弾くなんてことはやったことがないと思うのですが、プロのピアニストはそれを毎日当たり前の朝飯前にやってのける方も多いそうです。
ヨガもアシュタンガのマイソールをやっている方は、毎朝5時や6時から2時間の練習を欠かすことなく続けるのが普通で朝飯前のことなんですよね。そして食事も完全ヴィーガンにして自分のエネルギーをなるべく純質で軽いものにしようと常に意識をされています。
それに比べたら、自分はヨガにしても、ピアノにしてもどんだけヘタレやねん!!と呆れかえってしまいます。
ハノンをやってると、単に指や手首の鍛錬ではなく精神的な鍛錬にもなります。
一音一音にマインドフルに集中して今をフルに感じきる、そして同じ事を繰り返していると、トランス状態になる、まさに瞑想。
30分程集中してやり続けていると、肉体的にも精神的にもかなりヘロヘロになります。
ハノンを60番までやっていくと、それまでは機械的なことの連続で冷酷だったハノンがはじめて人間らしい表情や心を見せるようになり、暗闇から光が挿し込み視界がパーっと開けた感じになるそうですよ。
60番にして初めて音楽的な豊かなハーモニーが生まれ、愛や慈悲のような要素が感じられ、
そしてそこには様々な困難がようやく解消された本当の自由自在という美しく明るく開かれた世界が広がっているんだそう。
全行程を通過せずにただ60番だけを弾いても解らない世界だと思うのですが、1〜59番までの苦行(機械的で単調で先の見えない地道な練習)を乗り越えると、60番の境地、本当の愛や自由が待っていると思うと、希望を持って頑張れますね。
物事を極めていくには、もちろん「楽しい」という要素があればエンジンが加速しスイスイと進んでいきやすくなりますが、同時に「苦しい」という要素があることでより深めることができるのかなとも思います。
楽しいだけでも△
苦しいだけでも△
厳し過ぎるとつぶれてしまう△
生ぬる過ぎると向上心が育たない△
指導する側として、うーんと悩むことも多いのですが、両方が大事ということを常に念頭に置いてまずは自分のヨガに取り組もうと思います。
(↑って今更かい と自分にツッコミを入れる)
ピアノというまた別の視点から色々学ぶことが多いです。
全ての道はローマに通ず。
器用貧乏にならないように注意しようっと!
youtubeにぼちぼちピアノ動画上げてます。
自分の変化を記録するために上げてます。
こっそり密かに3曲上げました。
素人の下手な練習動画を見てもいいかな?という変人、物好きな方や、
できない子供を長い目で見守る母性本能がある方が居たらちらっと覗いてみて下さい(笑)
春はとうに来てるけど、春よ来い♪
まだ練習中で、完成度と表現力を高めていったら夏に..いや来年の春よ来いになってしまいそう。
全編、完成したらまた上げます!
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